ニースで10年滞在許可証(Carte de résident)を申請しました。
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ニースのアルプ・マリティーム県庁にて、どうにか10年滞在許可証申請手続きを行ってきました。「不満/謎に思うところ山のごとし」な1日でしたが、心静かに1ヶ月後を待ちたいと思っています。
今後、ニース(アルプ・マリティーム県庁)で滞在許可証を申請する方のために、申請までのあれこれをまとめました。長々としてるので、まとめの項目だけ読んで頂いても。ご参考になれば幸いです。(2018年12月時点での情報です)
- 所要時間は6時間
- プレ窓口(Pré-accuile)で「これだと10年無理」と脅かされる
- 書類がきちんと揃っていれば本窓口手続きは5分で終わる
- 申請動機書は「義務ではない」?!
- まとめ(ここだけ読んでもOKです)
- 2019年2月6日追記 10年申請を却下され2年更新になった友人の話
- こんな記事も書いています。
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所要時間は6時間
整理券がないと第一関門(Pré-accuile)に立てない
県庁に入ったらまっすぐ3番窓口(Accuile 3)に向かい、列に並びます。9時の時点で先頭まで目測30mの行列です。申請者本人と付添人(配偶者や子供)などでぎゅうぎゅう。先頭の人は夜明け前から並んでいたのではないかしら。
並んでいると、職員の人が小さな紙を配りに回ってきます。規定時間までに待機列に並んでいたことの証明書になるため、これを無くすとプレ窓口(Pré-accuile)で受付けてもらえません。
これは2年前に申請に来た時は無かったシステムでした。いずれにしても、開庁時間ギリギリに来て列に並んでも、その日は受付けてもらえないなんてこともあり得るので、早めに行くことが望ましいです。
プレ窓口到達に2時間半、本窓口(Guichets)到達に3時間半
並び始めてからプレ窓口にたどり着いたのは11時半(ここまで立ちっぱなし)。
職員にさらっと持参書類の確認を受け、ひとまずOKということになると番号チケットを渡され、待合スペースへ(椅子が空いていれば座れるけど、だいたい満席)。
ここで、自分の番号が呼び出されるまで更に待ちます。途中12時になり、職員が昼食に入るためか、5つある本窓口(Guichets)が2つしか稼働していない時間帯も。
この間も、ほとんどの申請者は待合スペースから離れず、じっと静かに待っています。
なお、館内にサンドイッチやスナックなどの自動販売機があるので、手早く何か食べたい時はそちらへ。
結局、申請を終えて県庁を出たのが15時過ぎ。まるっと6時間。もう精根尽き果てたとはこのことだなという感想しかありませんでした。
子供自身が申請者の場合だとか、ベビーカーに入れっぱなしにできる乳児でない限り、一緒に連れて行くのは長丁場すぎて相当しんどい。うちの2歳前の娘は、義父母にあずけてきて本当に正解。3歳と5歳くらいの子が来ていましたが、15時頃には疲れて飽きて、不機嫌になって、親子ともに大変そうでありました。
プレ窓口(Pré-accuile)で「これだと10年無理」と脅かされる
2年前に滞在許可証を申請に来た時も同様だったのですが、プレ窓口の職員は非常に厳しい顔つき&感じが良くない。
やっとプレ窓口で順番が来て、ガラス越しに職員に挨拶。返事もそこそこに、列で配られた整理券を出せという仕草(無言です)。いきなり威嚇された気持ち。
次に、滞在許可証カード、パスポート、配偶者のIDカード、持参した書類一式(コピー&原本)を出すよう指示され、できるだけ手際よく渡して、事前確認を受けます。(提出した書類については、こちらの記事をご覧ください。)
で、一言。
「同居を証明する書類が少ないので、これだと10年ではなく2年しか申請できないかもしれません。」
えっ、なぜ2年・・・!と動揺している私と夫をよそに、番号の書かれたチケットと、滞在許可証申請書(アルプ・マリティーム県庁書式)を手渡しながら、
「これを書いて、あっちで待っててください」と言われて、追い払われるようにここでの手続き終了。同居証明書不足でなぜ10年が2年になるのかの説明など無しでした。
ここでの所要時間約2分。
プレ窓口で不受理にされた申請者を優しくなだめる警備員。
2年前と違っていたのは、プレ窓口のすぐ横に常に体格の良い警備員が立っていたこと。
このプレ窓口段階で書類不備を指摘されて追い返される人がいるのですが、皆、滞在期限が2ヶ月未満になっているので、とにかく必死で粘ります。職員にガラス越しに声を荒げているフランス人配偶者もいたり。そういう人をなだめ、静かに帰らせる為に配置されたのかもしれません。
「書類が足りてない」とすげなく追い返された申請者(2歳くらいの子連れ夫婦)に、「県庁サイトを見て書類揃えてきたの?あー、あのサイトの情報は古くて間違っているから・・・」と申し訳無さそうに説明していた警備員もいました。ていうか、それ警備員の仕事?ていうか、県庁サイト情報やっぱりおかしいよね・・・、うすうすそういう気はしてた。
もう、あの親子かわいそう過ぎる、小さい子連れて長時間並んでがんばったのに・・・(涙)。
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書類がきちんと揃っていれば本窓口手続きは5分で終わる
番号チケットを受取り、県庁フォームの申請書類を書き終えて、待つこと3時間半。自分の番号になって、指定の窓口へ。
2年前に滞在許可証を申請に来た時も同様だったのですが、本窓口の職員は非常にやさしげ&感じが良い!!もちろん、当たった担当者によります。厳しそうな職員もいます。プレ窓口の職員が怖かっただけに、マジで天使に思えた・・・。
手際よく書類を確認し、「じゃあ、これで10年申請を受理しますね」と、レセピセを発行してくれました。(いくつか確認の質問や、指紋を機械で取ったりしつつ)
プレ窓口で脅かされた共同生活証明の不足も特に言われず。これは、現在所持している2年の滞在許可証を発行してもらった時の住所と変更なしだったからかもしれません。「住所変わってないんですね」という確認があったので。
「問題なければ1ヶ月後にカードを発行します」ということで、手続き終了。所要時間約5分。
30分近くかかっている申請者もいます
待合スペースから見ていると、「あの申請者、まだ終わっていないのか」というくらいずっと座ってる人もちょこちょこいます。申請者たちのサポートの仕事をしているらしき人もちらほら。
滞在許可証と一言で言っても、申請理由や種類は様々。「そんなのどこに書いてあるのさ」みたいな書類をいきなり要求されたりするのでしょうし。私のような仏人の配偶者としての申請は最もシンプルな部類なのだろうと思います。
昨日は「こんなのありえない、普通じゃない!」と怒鳴り始めた人も居ました(そして、すぐにすっとその後ろに立つ警備員・・・)。皆必死なんですよね。
申請動機書は「義務ではない」?!
さて、今回一番「なんだよ、それ」だったのが、こちら。
申請書類リストもらいに行ったとき、リストにないけど書いてこいと言われた「手書きの申請動機書」は
— 幸 (@srdavi3216) December 18, 2018
別に義務ではないけど、書いてきたなら受け取るわ
的な対応でした。マジか。
夫と一緒に頑張って書いて持参したのですが、本窓口で要求もされないし、見える場所に置いているのに取ろうとしない。 最後の最後で、「あの、これはどうしたら」と聞いてみたら、この答え。
政府サイトにも、必要書類の1つとして「Documents justifiant que vous relevez d'un des cas de délivrance」とありまして、ネットで調べた限りでは、これが「申請動機書」にあたるらしいんですけどね。っていうか、この窓口から数十メートル向こうにある総合受付で「手書きで書いてくるように」って言われたんですけど・・・。受付と窓口で言ってることが違う。
「別に義務じゃない」とは言われましたが、せっかく書いてきたし、この職員の言ってることが間違っている可能性も捨てきれないので、出しておきました。
まとめ(ここだけ読んでもOKです)
- アルプ・マリティーム県庁のウェブサイトに掲載されている申請書類情報はあてにならない(2018年現在)。私が閲覧した時点では政府サイトのコピペ状態でした。該当ページ自体見つけにくい。一番確実・簡単なのは、予め県庁に出向き申請書類リストは貰ってくること(総合受付で取得可能)。サイトからダウンロードできるようにすれば、申請者も職員も手間が省けてWin-Winだろうに。
- 政府ウェブサイトに記載されている申請書類リストと付きあわせて、県庁リストと重複していないものは念の為用意する。(申請者本人の出生証明書/大使館による仏語翻訳、申請動機書など)
- プレ窓口(Pré-accuile)の職員は基本的に非常に無愛想で厳しい。「これじゃ申請できない、10年は難しい」などと言ってくるが、法的根拠の説明はない。県庁リストに記載ある書類が揃っていれば、本窓口に並ぶ整理券は発行してくれる。
- 共同生活証明書(銀行口座証明、所得税証明書、セキュリテソシアルのAttestationなど)は多いほどいい。が、入国以降転居などしていなければ、それほど厳しいことは言われない印象(※当たった担当者によりけり)。
- 申請動機書は窓口で「義務じゃない」と言われても、政府サイトには書いてあるものなのでとりあえず出しておく(コピーを忘れずに)。
- とにかく並ぶ。まる一日つぶす覚悟で臨みましょう。
- プレ窓口(Pré-accuile)では、妊娠中や、ハンディキャップのある方は優先してもらえます。遠慮せずそのシステムを使ってください。2時間は早く済みます。
総合受付と窓口で言ってることが違うし、公式サイトも情報が怪しいというカオスな状況の2018年滞在許可証更新手続き。
夫は「僕らが払っている税金を使って、これ程不可解で非効率な仕事のやり方をしてるなんて!仕事を休んでこないと行けない人たちにもかわいそう過ぎる」と怒り心頭。「もうやりたくないから、フランス国籍取らない?」とまで。私もちょっとそれが頭をよぎったほど疲れました。
無事に許可証が取得できることを切に願います。
2019年2月6日追記 10年申請を却下され2年更新になった友人の話
同時期にニースに越してきた友人が、2月に入ってから10年滞在許可証を申請しに同じアルプ・マリティーム県庁に行ったところ、おおむね下記の書類不備を理由に申請が受理されず、2年のみの更新手続きになってしまったとのこと。
- 5年分の納税通知書(avis d'impot)
- 各年の住宅保険証明(Assurance habitation de chaque année)
仏人配偶者と住居を同じくしていることの証明書として要求されたんだと思われますが、この友人は仏人配偶者と婚姻後3年経過したという要件(私と同じ)で申請。確か結婚して5年は経っていないはず。なのに、5年分を要求とは…。
あたった担当者が良くなかったのかもね、もしかしたら10年が許可されるかもしれないから結果を待ってみようと慰めたものの、まじで腑に落ちない。
しかも、私が総合受付で言われた「申請動機書」については、「え、何それ?」という反応。何も言われなかったんだね…。
もー、なんかめちゃくちゃだぜ、アルプ・マリティーム県庁!
こんな記事も書いています。