フランス語ゼロからのニース生活

2016年に夫と猫とともに、フランス語ゼロで日本からフランスへ移住してきました。

二重国籍者と日本で「日本人同士」として結婚した話。


スポンサーリンク

夫は日仏の二重国籍でした

私の夫は、父親が日本人、母親がフランス人で、日本とフランス双方の国籍を持つ二重国籍者でした。

フランスでは出生地主義規定を設け多重国籍が認められていますが*1、日本では、他国と2つの国籍を持っている場合、日本の「国籍法」に基づき22歳までに日本国籍か外国籍かどちらかを選ばなくてはなりません。

www.moj.go.jp

そして、この国籍選択手続きは怠っていても、実際「遅れてるよ」という連絡が来たりはしないようで、彼も22歳はとっくに過ぎている状態でした。

日本国籍を持つ重国籍者は「日本人」として結婚する

結論から言うと、日本国籍を持っていれば、たとえ日本に居住していなくても、税金払ってなくても、外国の観光ビザで入国していようとも、「日本人」として日本で婚姻手続きが取れます。

前述した、国籍法上22歳までに行っていなくてはならない国籍選択を怠っていたとしても、です。

最初「国籍選択を怠った状態(=法令違反)では、日本人としての婚姻は受理されないのでは?」と危惧して最寄りの区役所に問い合わせたのですが、「国籍選択の件は国籍法を管轄する役所(東京だと千代田区にある東京法務局国籍係)の問題ですので」と言われ、要するに「国籍選択と婚姻届は連携しない」ということでした。素晴らしい縦割りっぷり。

従って、婚姻届に、海外に住んでる「日本国民」として必要事項を記入し、戸籍謄本(戸籍があるので当然ある)を添付して最寄りの役所に届けるだけで完了です。

日本人同士の結婚って感激するほど超簡単です。

 

スポンサードリンク

 

 

婚姻届の証人は外国人でもOK

婚姻届に2名記載する証人は外国籍の人でも可能です。

すべてアルファベット(ブロック体)で記載してもらいます。

氏名は名字、名前の順で書いてもらいました。

本籍の欄は証人となる人の国名だけ書きます(フランス共和国とか)。

生年月日は西暦表記。認印などは一般的には持っていないと思いますので、なくてもOKです。外国人がクレジットカード使った時などにサラサラっと書いてるサインなどは不要です。

詳しい書き方は各自治体に記入例の用紙が用意されているかと思いますので、実際はそちらを確認してみてください。

私たちは夫の親友(カナダ在住)に郵送してお願いしましたが、住所や生年月日はこちらで記載し、氏名だけは本人に書いてもらうようにしました。まあ、ぶっちゃけ夫が書いたってわからなかったと思いますが。

 

日本から、フランスに婚姻届を出す

日本で婚姻届が受理されたら、日本の婚姻をフランスの戸籍台帳に転記する手続きを進めます。

  1. 婚姻届を提出した役所から婚姻届記載事項証明を発行してもらいます。
  2. 婚姻届記載事項証明を外務省に送ってアポスティーユ証明書を交付してもらう。(婚姻届記載事項証明とアポスティーユ証明(英語)と書いた紙をホッチキスで止めて外務省の担当官のサインと外務省割印が入った書類)
  3. アポスティーユ証明書と婚姻届記載事項の訳文(仏大使館がくれるフォームに書き込めば訳が完成する)、その他書類(仏大使館サイトを参照)を大使館に提出
  4. 提出は郵送でもOKですが、フランスでは婚姻するフランス人は、フランスの法律が義務付けているように、必ず本人が役所へ行き、婚姻届を出さなければならないという規定があるので、大使館に直接提出しに行きました。(これは恐らく、区役所に本人と一緒に婚姻届を提出しているので、この時点で条件をクリアしていたのではないかと思われますが念のため。)

 

フランスの「家族手帳(Livret de famille)」を受け取る 

フランスでの婚姻手続きが完了すると、大使館から「家族手帳」が届きます。

f:id:srdavi3216:20160429173345j:plain

こういう緑の縦長の手帳です。

これが届いてようやく「あー、無事に終わった。結婚した」って感じになりました。

日本は婚姻届出して(不備がなければ)それで終わりなので、なんとなく「本当にできたのかしら」と思います。

 

国をまたぐ手続きは何かと大変。

国籍が違うと、同国人同士だと容易な法的手続も本当に煩雑になってしまいます。

夫は最終的には日本国籍を離脱しまして、その手続きのことも別にまとめておこうと思いますが、とにかく日本の役所の縦割りっぷりに翻弄されました。

が、総じて職員の方は丁寧に対応してくれました。こちらもよくわかっていない事柄(何がわからないのかわからない状態に近い)を一生懸命説明したら、一生懸命に手段を説明してくれるので、こういうところは日本人のいいところなのだろうなと思います。

 

そして、私はフランスに来てちょうど二ヶ月経ちましたが、入国後三ヶ月以内に終えるべき在留手続がまだ完了していません。配偶者ビザはあるけど、移民局(OFII)の手続がこれから(来週)。しかも申請から移民局からの召喚状が来るまでに一ヶ月以上・・・。このスピード感がフランス。

滞在三ヶ月経たないと健康保険にも加入できません。とりあえず怪我や病気をしないように・・・。

 

srdavi3216.hatenablog.com

スポンサードリンク

 

 

*1:多重国籍 - Wikipedia