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フランス語ゼロからのニース生活

2016年2月、南フランスのニースへ引っ越した私と夫と猫の日々。

ニースのテロのこと 小雨に命を救われた。

 

 

7月14日、ニースの花火大会に行っていました。

 

以前から楽しみにしていたニースのジャズフェスティバルの初日でもあり。なので20時半頃に、まずはマセナ広場の野外会場で、無料でラヴェルのボレロを楽しみました。21時頃に日没となり、本当に良い雰囲気。

ライブ終了後に、夫と二人でプロムナードまで出て、22時から花火を楽しみました。花火の最後には、周囲から拍手と歓声があがったほど。

花火終了後も、プロムナードでは音楽イベントが続いていたりして、帰りがたい雰囲気はあったのですが、夫は翌日仕事だし(私は語学学校休みだけど)、天気予報どおり小雨がぱらつき始め、風もかなり強くなってきたので、「今日はもう帰ろう」と帰路についていました。

 

マセナ広場からトラムに乗ろうにも、ものすごい人の数だったし(東京の帰宅ラッシュのようだった)、雨も止んでいたので、そのまま歩いて帰ることにしました。

そして、ギャラリーラファイエットを過ぎたあたりで、後ろにいた人たちが、しかもかなりの人数の人がパニックになったように私たちの進行方向に向かって走ってきました。子供の叫び声も聞こえました。

それにつられて走り出した人もいたけど、私たちは状況が全く分からないので、後ろを気にしつつもそのまま早足で歩き続けていました。

トラムの駅のホームは人が溢れていたし、「もしかしたら酔っ払いがトラムに当たったとか車で入ってきちゃったとかの事故でもあったかな?」みたいなことを話しながら。

でも歩いている間に、別のトラムの駅では「プロムナードで”重大なこと”が発生したため、今夜の運行中止する」というアナウンスが流れるのが聞こえ、私たちの前後を歩いていた人たちの会話から「人が死んだらしい」「車の事故があったらしい」「銃で撃たれたらしい」ということを耳にしたりしました。みんな足早に歩いていた。

 

帰宅したら、すでに義父母は寝室に入っていました。事件に気づいている感じでもないので起こすことはしませんでした。雨も風も強くなってきたので、家中の窓を閉めて、シャワーを浴び、私たちもベッドに入りました。

そしてネットで情報収集し、起こったことの重大さを知りました。その間にも10人以上亡くなった、30人以上亡くなった、とニュースは続きます。いくつもの動画がアップロードされていました。週末になればしょっちゅう日光浴・海水浴に行く、私たちにとって「いつもの」場所が大変な状況になっていました。

 

親戚とか友人に「無事」の連絡を入れ、寝たのは1時過ぎ。

朝起きたら死者は80人以上になっていました。

 

もし花火大会後に小雨が降っていなかったら。風がもっと穏やかだったら。

もし今日が金曜日(明日は土曜で休み)だったら。

きっと私たちは、夜更かしを決め込み、そのままプロムナードで夜を楽しむことにしていたでしょう。だってそうするにふさわしい雰囲気の夜だったから。まさに現場になった方向に歩き始めてさえいたのです。

「小雨に命を救われたね」と暖かいベッドの中で夫と話しました。

本当に何が分かれ道になるのか分かりません。

 

今回のテロで、犠牲になってしまった方々のご冥福と、怪我をされた方々のご無事を心からお祈り申し上げます。

 

今日のニースは快晴です。