フランス語ゼロからのニース生活

2016年に夫と猫とともに、フランス語ゼロで日本からフランスへ移住してきました。

フランス移民対象講座で「フランス」についてざっくり学んできました。


スポンサーリンク

よく晴れた土曜日(ま、ニースはだいたいよく晴れてるけど)。

移民局(OFII)の指示に従いまして、「La Formation civique」(ラ フォルマシオン シビック)に行ってまいりました。

やー、楽しかったー。面白かったー。子供の頃飽きるほどベルばら読んでてよかったー。

 

スポンサードリンク

  

La Formation civique(ラ・フォルマシオン・シビック)とは。

フランスへ来た移民(私の場合は有効期限1年の配偶者ビザ)向けの滞在許可証交付条件の一つとして受講しなければならない市民教育講座、です。

朝9時から昼食(無料)を挟んで16時までの1日がかりで行われます。

フランスという国の成り立ちや、法律(憲法三権分立)、フランス市民に与えられた基本的な権利、税金のことなどをざっくりと学びます。

中学校や高校でやった世界史をうろ覚えていると、「あ、これ昔授業で習ったなー」ということがたくさん出てきて楽しいです(私は超楽しかった)。

 

1日の流れはこんな感じ。

8時15分に会場に来るように言われ(遅刻したらビザがどうなっても知らんよ、的なことが召喚状に書いてあるので割と必死)時間ぴったりに行きました。ニースのOFIIに近い建物の1フロアが会場になっています。

この日は20人くらいが受講。

受付を済ませたら、指定の教室で待機。

なんだかんだ(紙とペンすら持ってきてない不届き者はいるか先生が追求したり(貸してくれますが、持って行きましょう)とか、ちゃんと予定通りみんな揃ってるかとか)あって、講座開始は9時でした。

ちなみに、フランス語がおぼつかない人には通訳を付けてもらえます。が、残念ながら日本語通訳はニースにはいないみたいです。私は事前にOFIIに許可をもらって夫に帯同してもらいました。この日はアラビア語とロシア語の通訳が入っていました。

フランス語で各自自己紹介(名前、いつ、どこから来たか。自力でクリア)の後、授業開始。

11時15分、昼休憩。歩いて5分ほどのレストランにみんなで行って昼食(トマトパスタとパンでした。普通に美味しかった)。

食べ終わった人から適当に戻って、13時くらいに午後の部再開。

15時半くらいから12問のテスト(全部フランス語)とアンケートをみんなでやって、ザーッと答え合わせして、修了証をもらって16時退出。

 

勉強したのはこんなこと。

今回教えてくれた先生、もともと裁判所職員で、軍隊にもいたことがあり、現在も警察向けの講義を行っている方ということで、結構なご高齢でしたが、ものすごく元気。声も大きい。受講生の質問にバッサバッサと答えてくれて、大変に気持ち良かったです(笑)

そんな先生が今回教えてくれたのは、だいたい以下のようなこと。

フランスの国土、領土(海外含む)について

現在の国の構成(県、市などの数や、それぞれの権限の強さなど)

フランスのざっくりとした歴史(成立から、フランス革命、近現代)

フランスのシンボル(三色旗、国歌、マリアンヌ、革命記念日

政治形態(三権分立、宗教分離など)

基本的な法律と市民の権利と義務について

最近できた法律で身近に関係あるもの

いろいろ興味深いことが多かったのですが、印象的だったことをいくつか。

 

自分の住んでる国の形、書けますか?

冒頭の先生の質問は「フランスの形を描いてみて」でした。

「え、どんなだったっけ?!」ってなりました。だって普段は地図やニュースで漠然としか見てないですもん。見せられたらわかるけど、描けと言われると・・・。

 

答え「フランスはヘキサゴン(六角形)の形をかけばOK。」

そう、フランスはその国土の形から「ヘキサゴン」と呼ばれることもあるそうです。なんか微妙に「ペンタゴン(五角形)じゃないの?」と思わないでもないですが、そこはヘキサゴンで意識統一。

 

市民講座の掴みがこの質問だったわけですが、これって結構大事な質問だな、と思いました。

とにかく出自も宗教も文化もバラバラな人々が寄り集まって暮らすってわけなので、何かにつけ軋轢は起こり得る。そんな環境の中で、人々が同じ国に住んでるという認識を共有化するには、感覚的なものではなくて、目に見えて明らかなものを選ぶ必要があるのだろうと思う(察するとか、以心伝心などない)。その掴みとして、「これからあなたの住む国の形を知る」って、子供から大人までフランスを共有する基本だと思う。

というわけで、私、今はフランスの国の形、描けます!(海外の領土は無理だけど)

 

フランスでは公共の場で顔を隠してはならない。(2010年から)

他民族国家のフランス。やはり治安等の面から、宗教的な理由があったとしても、顔を隠してはならないという法律があります。イスラム教徒の女性がしているブルカ(顔や髪を覆う布)などが該当します。なお、フランスは宗教の自由が認められているので、イスラム教がダメっていうことではありません。

実はこの日一番長い時間が割かれた、というか受講者から質問が相次いだのがこれ。参加者にアラブ系(おそらくイスラム教徒)が多かったのがその理由だと思われます。

病院や公園はダメ、レストランはオーナーの意向による、大学も大学のルールによる、などの規定があります。

なので、日本で週刊誌などで見かける有名人の写真なんかの、マスクにサングラス、という出で立ちは、フランスにおいては禁止ということになるでしょう。

違反すると実刑または罰金刑が適用される、本気の法律なのです。

 

スポンサードリンク

 

 

ちなみに、昼食は無料。

1日掛かりの講座ですから、お昼休みがあります。昼食は市民講座の受講場所によってビュッフェだったりする場所もあるみたいなのですが、ニースではシンプルにパスタ&ソース。宗教的な理由や個人の主義(ベジタリアン)などが入り乱れるため、そのどれにも引っかかりにくい食事となっていました。

この日は、でっかいマカロニみたいなパスタに、トマトソース(お好みでチーズとパン付き)でした。量は十分にあるので男性でもお腹いっぱいです。

 

やっぱなんでも語学はやっといて損なしです・・・。

ものすごい勢いでフランスについて学ぶ市民講座です。必要があれば通訳もつけ、とにかくフランスで生きていくのに必要なことを「理解させる」のを最優先に構成されています。「知りたかった」ことがほぼ網羅されています。

でも、わずかに理解出来る先生のフランス語と夫の日本語訳に1日ものすごく集中していたせいで、帰宅後は完全にエネルギー切れ。本当に頭痛で帰宅後即就寝。

後日2回目を受講するのですが、この時は英語通訳だけ、しかも通訳を必要とする人が多くて、英語通訳もあまり聞き取れず、先生のフランス語はわからないし、半分以上お手上げ状態でした。修了証はなんとかもらえたけど、なんだかなあって感じ。

せめて英語だけでも、忘れないように続けてればよかったなあああああ、と切に思った二日間でした(結論これ)。

 

スポンサードリンク