フランス語ゼロからのニース生活

2016年に夫と猫とともに、フランス語ゼロで日本からフランスへ移住してきました。

ネコ好きにオススメ 好きな一冊 ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」


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転勤族家庭に育ったため、引越しの邪魔にならぬよう「要らないものは捨てる。極力物は持たない」が割と身についている方なのですが、特に気に入った本だけは厳選してずっと手元にとっています。

 

5月に入り、家庭のインターネットの接続不良が続き、ここ1週間ほどは完全に不通の状態。つくづくインターネットに依存してたんだなぁと実感しつつも時間を持て余してしまい、仕方ないので、日本から持ってきた蔵書(と言っても文庫10数冊)から、何年ぶりかで数冊読み返し。

 

その一冊が、1956年に書かれたロバート・A・ハインライン著「夏への扉」。

 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

猫好きでSF好きならきっと読んでるだろう名作。何より表紙が素晴らしい(新装版よりもずっと良いと思う)。ジャケ買いして良いレベル。

冷凍睡眠とタイムスリップものなのですが、ウィキペディアで検索すれば概要からネタバレありのあらすじまで確認できるので割愛(作品を未読の方は見ないのが吉)。

 

「現在」として描かれているのが1970年、「未来」として描かれているのが2000年。

「未来」時代が既に16年も前のことになってしまってますが、頭の中で「現在」の年代を今に置き換えてみても、全然古くさくないのが秀逸。人間のだいたいの仕事や、家事全般を、ロボットがこなしているという未来の描写は「これ、本当に60年前に書かれたの?」と思うくらい。

 

でも久しぶりに読み返して、すごく頷いてしまったのは、冒頭のこのくだり。

 

冬が来るとピートは、きまって、まず自分用のドアを試み、ドアの外に白色の不愉快きわまる代物を見つけると、(馬鹿ではなかったので)もう外へは出ようとせず、人間用のドアをあけてみせろと、ぼくにうるさくまつわりつく。
彼は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。これは、彼がこの欲求を起こす都度、ぼくが十一カ所のドアを一つずつ彼について回って、彼が納得するまでドアを開けておき、さらに次のドアを試みるという巡礼の旅を続けなければならぬことを意味する。そして、一つ失望の重なるごとに、彼はぼくの天気管理の不手際さに咽喉を鳴らすのだった。

わかる、わかるわー。

そう、好きなように部屋を出たり入ったりする愛猫のために、人間は家にいる間は何度でもドアを開けたり閉めたりしているのです。

出たそうにするからわざわざ席を立ってドアを開けてあげたのに、ドアの前から微動だにせず、そのまますっと部屋の中に戻って寝始めたりするもんね。そんで「出ないのかよ!」と思わず突っ込み入れたりしちゃうもんね。

前に読んだのは、うちの猫を飼う前だったなぁと思いつつ、あっという間に読了したのでした。

 

私は読んだことありませんが、新訳版もあります。

 

 

 

夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]

 

 

 

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