フランス語ゼロからのニース生活

2016年2月、南フランスのニースへ引っ越した私と夫と猫の日々。

ニースでビジネススーツ着てるのは銀行マンでした。

f:id:srdavi3216:20160508042454j:image

私の日本最終日の思い出。
東京駅八重洲口側にある成田空港行きのバス停に向かって、重たいスーツケースを弾きながら夫と猫(バッグの中)と歩いていた時に見た光景。
ちょうど平日のお昼時だったため、どっと付近のオフィスビルから出てきた人々が次々と食事に向かって横断歩道を渡っていく。
2月の終わりで、まだまだ誰もが冬の間装い。グレー調のスーツが多かった。
 
それを見た夫、「皆、同じような色のスーツだね。しかもこの人達、全然良いスーツを着てないんだよ」
 
確かに普通のビジネスマンにとって、スーツって結局消耗品。そしてオーダーメイドとか既製品でも十数万円もするようなスーツばかり着てる人はそういないでしょう。安価にセットスーツが買えるご時世、大切に着ていたとしても、生地がくたびれるのも早い。夫の言葉に、「まあ、確かにね」と頷きつつ、私もちょっと前まで普通の稼ぎの普通の日本の典型的サラリーマンだったし、くたびれ気味のスーツを着ざるをえない彼らの状況も痛いほど分かるのよね、と思ったことを覚えています。
 
さて、ニース。夏に向かって、日に日に観光客が増えております。
バカンスに来ている人が多いし、観光地ということもあってそもそもスーツでなければならない職場が少ないせいか、東京で毎日毎日当たり前に見ていたビジネススーツ姿の人はほとんど見かけません。
夫も本人の希望通りスーツ不要の職場に就職し、こちらに来てから一式揃えたスーツを着たのは採用面接の一回だけ。ジーンズで毎日元気に出勤していきます。ちなみに、彼のボスに至っては、ユニクロの部屋着セットのような服で来てるらしい 。自由だ。
 
もうしばらくは何かの式典とか誰かの結婚式くらいでしかスーツ姿の男性にお目にかかることはないのかもなあ、なんて思っていた矢先、いた!
 
先日、義父と一緒に、所用で銀行窓口に行ったのですが。
そこで数ヶ月ぶりのスーツ姿の男性を目撃。東京には掃いて捨てるほどいる、さほど仕立ても良さそうじゃない、いわゆる普通のスーツ。銀行内を同じような色のスーツ姿の男性が数人、部屋を出たり入ったりしている。スーツ姿の人が複数まとまっていると、たちまちそこはお堅い感じの空間に仕上がるもの。
 
いくら服装の縛りが緩いニースといえど、銀行という職種では、まだスーツ文化なのですね。なんだかかえって新鮮な感じで、日本最終日の光景を思い出しつつ、思わずしげしげと眺めてしまいました。
 
夫も、たまにはスーツ着てくれないかな。
 
ところで、ニースでスーツを買おうと思うと、お店はいくつもあります。
お手頃価格の普通のビジネススーツもあります。
でもセット販売(上下セット、パンツもう1本!とか)をやっているお店はありませんでした。日本の「就活フェア」とか「フレッシャーズキャンペーン」みたいなのも当然なし。結局、着る人の好みに合わせて、お店の人にも相談しながら一つ一つアイテムを揃えていくことになります。
考えれば考えるほど何を着たらいいかわからなくなっちゃうタイプの人には、日本のスーツショップのシステムって頭を使わなくていいから助かるものなのだな、と思いました(個性は犠牲になりますが)。