フランスの鬼ごっこのオニは「猫」
フランスの子供の遊びにも「鬼ごっこ」がある
下の動画は「TROTRO」。
子供向けのアニメです。フランスのNetflixにあり、絵が気に入っているので、たまに娘と見ています。(日本語字幕はないけど、幸い、「TROTRO」に出てくるフランス語は概ね理解できるようになっています。)
この「TROTRO」に、子供たちが「鬼ごっこ」をするシーンが出てきます。
フランス語版
英語版
鬼は「猫(Chat)」
フランス語版を見ていると、
「Touché! C'est toi le chat!(触った!君が猫だよ!)」
という言葉が出てきます。
「TROTRO」にはフランス語字幕がないので、最初は私の聞き間違いかな?と思いつつ、夫に「フランスの鬼ごっこのオニは猫なの?」とたずねてみたところ、「そのとおり」とのこと。
猫、いいじゃん!
子供の頃、遊びとはいえ、なんとなく「鬼」という言葉に抵抗があった身としては、「猫、いいじゃん!」という気持ちです。娘が立って歩いたり走ったりし始めたら、、これで遊んであげようと思いました。
ちなみに英語版だと「Tag!」です。こちらも分かりやすいですよね。
こちらは、全然「オニ」にはなれなそうなうちの猫。
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猫 「上の子」としての苦悩。
ムスメが生まれて約1ヶ月。
これまで我が家で1番ちやほやされていた猫、ムスメにその座を奪われる。
育児書などで、赤ちゃんが生まれるときは上の子のケアも忘れずにといった話を見ていましたが、我が家の場合は、猫にも当てはまったようです。
「こいつを攻撃してはいけない(めっちゃ怒られる)」
「他の人間はいいけど、こいつの上を歩いてはいけない(めっちゃ怒られる)」
「こいつのもの(ベッドとかバウンサーとか)に乗ったり触ってはいけない(めっちゃ怒られる)」
「とりあえず定期的にこいつの頭のニオイをチェック」
など、少しずつムスメとの共存に慣れてきているものの、私や夫がムスメの世話でてんやわんやになっていると、明らかにふてくされて、離れたところからじとっとした顔で見ているのが分かります。
最近は少し主張を始め、授乳中などに割り込んで来るようになりましたが。
邪険にしてるわけではなく、人間側に余裕がないだけなので、猫には少々お気の毒な状況。
私のとこに来て9年半にして、初の首位陥落。
健康だけど高齢ではあるし、心穏やかに長生きしてほしいので、ムスメが寝てる間などにできるだけイチャイチャしてあげることに努めたいと思います。
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ネコ好きにオススメ 好きな一冊 ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」
転勤族家庭に育ったため、引越しの邪魔にならぬよう「要らないものは捨てる。極力物は持たない」が割と身についている方なのですが、特に気に入った本だけは厳選してずっと手元にとっています。
5月に入り、家庭のインターネットの接続不良が続き、ここ1週間ほどは完全に不通の状態。つくづくインターネットに依存してたんだなぁと実感しつつも時間を持て余してしまい、仕方ないので、日本から持ってきた蔵書(と言っても文庫10数冊)から、何年ぶりかで数冊読み返し。
その一冊が、1956年に書かれたロバート・A・ハインライン著「夏への扉」。
- 作者: ロバート・A.ハインライン,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 文庫
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猫好きでSF好きならきっと読んでるだろう名作。何より表紙が素晴らしい(新装版よりもずっと良いと思う)。ジャケ買いして良いレベル。
冷凍睡眠とタイムスリップものなのですが、ウィキペディアで検索すれば概要からネタバレありのあらすじまで確認できるので割愛(作品を未読の方は見ないのが吉)。
「現在」として描かれているのが1970年、「未来」として描かれているのが2000年。
「未来」時代が既に16年も前のことになってしまってますが、頭の中で「現在」の年代を今に置き換えてみても、全然古くさくないのが秀逸。人間のだいたいの仕事や、家事全般を、ロボットがこなしているという未来の描写は「これ、本当に60年前に書かれたの?」と思うくらい。
でも久しぶりに読み返して、すごく頷いてしまったのは、冒頭のこのくだり。
冬が来るとピートは、きまって、まず自分用のドアを試み、ドアの外に白色の不愉快きわまる代物を見つけると、(馬鹿ではなかったので)もう外へは出ようとせず、人間用のドアをあけてみせろと、ぼくにうるさくまつわりつく。
彼は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。これは、彼がこの欲求を起こす都度、ぼくが十一カ所のドアを一つずつ彼について回って、彼が納得するまでドアを開けておき、さらに次のドアを試みるという巡礼の旅を続けなければならぬことを意味する。そして、一つ失望の重なるごとに、彼はぼくの天気管理の不手際さに咽喉を鳴らすのだった。
わかる、わかるわー。
そう、好きなように部屋を出たり入ったりする愛猫のために、人間は家にいる間は何度でもドアを開けたり閉めたりしているのです。
出たそうにするからわざわざ席を立ってドアを開けてあげたのに、ドアの前から微動だにせず、そのまますっと部屋の中に戻って寝始めたりするもんね。そんで「出ないのかよ!」と思わず突っ込み入れたりしちゃうもんね。
前に読んだのは、うちの猫を飼う前だったなぁと思いつつ、あっという間に読了したのでした。
私は読んだことありませんが、新訳版もあります。
- 作者: ロバート・A・ハインライン,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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家出猫 帰宅。
30日チャレンジのススメ 小さなことを続けてみるのだ。
いろんな方のブログを拝見していると、ブログを毎日書くという目標を設定されてる方がいらっしゃいます。こういうのいいと思う。
年末に退職して渡仏までの丸二ヶ月。時間だけはある日々だったので、夫から「これやってみない?」と見せられたのがこちらの動画。
彼のトークいいですよ。短い動画なので是非。
なんでもいいから、今日から30日やってみよう。小さなことでも続けられることを。
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私の場合は3つのチャレンジをやりました。
- 毎日スケッチしてInstagramに載せる
- 毎日ラジオ体操
- 毎日1万歩歩く
結果はこんな感じ。
- スケッチを選んだのは、子供の頃毎日何かしら描いていたけど大人になってから全然してなかったことをもう一度やってみようと思った。無印良品でポストカードサイズのスケッチブックを買って使いました。描くだけだと挫折しそうなので、Instagramに載せて「いいね」をいただいてモチベーション継続(感謝)。
- とにかく運動不足をどうにかしたかった私と夫。最初はラジオ体操で満足していましたが、ここから筋トレスイッチが入り結局ラジオ体操からのエクササイズ(腹筋・下半身・時々ヨガ)に発展しました。
- 毎日一万歩は20日くらい頑張って挫折。理由は「飽きた」。家を拠点にした散歩が多かったのですが、歩けども歩けども家ばっかり!というルートが多くて飽きたため挫折。
達成したものも、やめちゃったものもあります。でも楽しかった。
これをやったおかげで、飼い猫の絵を描くのが上手くなりました(誰得)。
チャレンジ終了後も時々描いてます。楽しい。
あと、腹筋がちょっと割れました。 (お見せしませんけど)
ちなみに今のチャレンジは毎日フランス語なんですが、週末が鬼門です。
遊んじゃうんですよね。天気いいから。
こんなの、もうビール飲むしかないじゃないですかー。
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フランス語聞きまつがい。
国際線飛行機に乗った猫の話 トルコ航空の場合
千葉で保護されて、神奈川で私と出会い、東京で暮らし、今年ニースに移住しちゃったうちの猫。もうすぐ9歳のメス。
今年2月、トルコ航空の客席の下の隙間で、小さなキャリーバッグに入れられてフランスにやって来ました。
今回は猫と一緒に国際線飛行機に乗ったよ、という話。
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うちの猫は、これまで国内線には2度ほど乗ったことがあるのですが、それはカウンター預入から到着地で受け取りまでせいぜい3時間くらいのこと。この時は客席ではなく、貨物として、他のスーツケースなどと一緒に移動しました。ちなみに、到着したら係員から猫の入ったケージを手渡しで受け取ります。荷物レーンに乗せられてゴゥンゴゥンと登場する訳ではありません(ちょっとそう思ってた)。
今回は、家を出てから到着まで乗継時間などを含めると24時間以上かかる長旅。
特に貨物として預けてしまうと、機内の時間(17時間くらい)、乗継時間(今回は4時間半くらい) も含めると相当長い時間様子が見れなくなるので、これはストレスが大きすぎるだろう。ご飯や水のことも心配だし。
そこで客室に持ち込んで連れて行くことにしました。
1.猫の客席持ち込みOKの航空会社を選ぶ
エクスペディアで調べた結果、猫を機内に持ち込めて且つ1番安いのが、2016年2月時点では、トルコ航空(ターキッシュエアライン)でした。
運賃(人間の)としてはエミレーツ航空やエティハド航空の方が安かったのですが、各社のウェブサイトで調べてみると、猫の機内客室への持ち込みが認められていなかったのです。ただし鷹は可。なんか納得。
持ち込めるペットの種類は航空会社によって様々です。まとめサイトなどもあるので、ある程度航空会社を絞り込んでから予約を検討すると楽でしょう。
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2.猫のフライト予約・搭乗条件・運賃
いつもはそのままエクスペディアでちゃちゃっと予約・購入してしまいます。
しかし、今回は猫の件もあるので、トルコ航空のサイトから、とりあえず人間分のチケット予約(未購入)した上で、猫の持込予約はどうしたらいいか電話で問い合わせてみることにしました(問い合わせ先は日本支社なので、日本語です)。
なお、トルコ航空では、オンラインでのペットの持ち込み予約はできません。
ウェブサイト上では、搭乗6時間前までに予約をするよう記載がありますが、書かれてないこともありました。
猫の客室持ち込みにはいくつか条件があります。
- 搭乗希望する便に、すでに異なる種類のペットの客室持ち込み予約が入っている場合は、貨物室への預け入れは出来るが客室への持ち込みはできません。つまり、犬の客室予約が入っていたら、猫の予約はできません(トラブル防止のためでしょう)。なお、同じ航空会社で乗り継ぎ便を利用する場合は、その便も含めて確認してもらう必要があります。こればかりは早い者勝ちなので、搭乗便を変更するか、出発日を動かせない場合は他社の利用を検討することになるでしょう。客室持ち込みの予約ができるかどうかは、トルコ航空側で確認し、電話で折り返し連絡をくれます。
- ケージは、ペットが入った状態で8kgまで、縦23×横40×高さ55cm以内のサイズであること(これはサイトに記載あり)。トルコ航空ではケージの貸し出しはしていないので、自分で用意する必要があります。基本的に客席の下に押し込めるサイズなので、結構小さいです。プラスチック製でこの基準を満たすものをネットで探しましたが、あいにく私には見つけられませんでした。結局、基準内に収まっていた、昔から使っている布製のキャリーバック(下の写真)を使いました。
- 搭乗の際に必要となる証明書等の有無を確認しましょう。検疫をパスしていることや渡航先の国が定める書類は必須ですが、他に航空会社が定める書類があるかもしれませんので事前に確認しておきましょう。私見ですが、公式には要求されていなくても、開業獣医師発行の健康診断証明書(可能であれば日本語と英語両方)を用意しておくのが良いと思います。フランス入国の場合には、EU指定書式の健康証明書を用意するので、公式にはこれがあれば入国OKなのですが、検疫証明書に添付されるため、パッと見の書類のタイトルが「健康診断証明書」とはなっていません。そのため、チェックインカウンターで「これは健康診断証明書ではない」とされ、あわや航空会社の搭乗条件を満たさない(ので乗せられない)という事態になりました。色々あって最終的には乗れましたが、すごくヒヤヒヤしました。というわけで、公式手続きには必要でなくても、とにかく書類のタイトルがわかりやすく「健康診断証明書」になっていて獣医師のサインが入っている書類を持っておくのが安心です。
- 猫にかかる運賃は重さで決まります。カウンターでチェックイン手続きの際に量ってもらい、猫+バッグの重さで4kg(端数切捨てしてくれた。)、だいたい1万円ちょっとでした。カウンターで現金またはカードで支払います。
うちの猫の布製キャリーバッグ。これで縦20×横40×高さ30cm。
検疫検査と搭乗手続きを無事完了すれば、あとは乗るのを待つばかりです。
3.猫の客室での過ごし方
猫がいる、ということで、優先搭乗させてもらいました。なんとファーストクラスのお客様より先。
夫と「こんなの初めて〜」とキャッキャしながら、誰もいない機内に「おお〜」とか言いながら、後方のエコノミー席へ着席(いつかビジネスクラス乗りたい)。
猫入りのキャリーバッグは、前の客席の下に置きます。
そして離陸。シートベルトサインが消えたあたりで、キャリーバッグを引っ張り出して、膝上において猫の様子を確認。
轟音に怯えて縮み上がっていた猫が、我に返って鳴き始めてしまいましたが、飛行機の音にかき消され、鳴き声が響き渡るということはありませんでした。
とはいえ、今思うと、私たちの前後の乗客の方には、トルコ航空側から猫がいることの説明がなされていたのだろうと思います。猫の鳴き声が聞こえていただろうにもかかわらず、最初から最後まで何も言われることはありませんでした。
こちらも、猫をキャリーバッグから出しはしないものの、餌(カリカリ)や水をあげたりするために、短時間だけ猫の頭だけ出したりしていましたが、特に客室乗務員から注意を受けることもありませんでした。
機内に持ち込む猫グッズとして用意したもの。
- 水を入れるためのフタ付きのプラスチック容器。キャリーバッグに差し入れることができるサイズ。なお、水は機内サービスもらえるペットボトルが便利でした。少しずつ容器に入れて飲ませてました。猫が慣れているのであればノズルタイプの給水ボトルでも良いでしょう。
- フタ付きのプラスチック容器に入れたカリカリ。キャリーバッグに差し入れることができる程度の大きさのもの。
- 携帯用猫トイレ。持ち込み重量に引っかからず、自分で運べる程度の猫砂入り(実は重さ制限に引っかかりそうで少し砂は成田で捨てました)。もちろん客席では出しません。乗り継ぎ時間に使えるように、手荷物のスーツケースに入れて行きました。搭乗前や乗り継ぎ待ちの間に、人のいないところを探してトイレをさせようと試みましたが、猫は緊張でそれどころではなかったようで、ニース到着まで用は足しませんでした。
布製の小ぶりなキャリーバッグなので、水と餌を置いといてあげるということができないので、頃合いを見計らって水と餌をあげていました。緊張でずっと肉球がしっとりしている状態だったので、喉が乾くのかよく水を飲んでいました。カリカリもあげれば食べていました。
イスタンブルでの乗り継ぎ待ちの間は、広い空港内の使用していないゲートで時間をつぶしました。その間、猫も紐をつけた状態で、あまり人目につかない位置でバッグから出しておきました。体を伸ばせるようにと思いましたが、見知らぬ場所にいる不安でそれどころではない様子。
ともあれ無事に乗り継ぎ便に乗り、フランスのニース空港に到着できました。
「猫と一緒に飛行機に乗る」って、なんか楽しそうなイメージもあるかと思いますが、猫にとっては迷惑以外のなにものでもないだろうと思います。うちの猫は、ニース到着一夜明け、頭には1センチほどのハゲが出来ました。人間でも疲れる長旅だし、トイレも我慢していたので、相当ストレスだったのだと思います。
人間側にも、猫を国際線に乗せるために、狂犬病予防接種やマイクロチップを装着させたり、検疫検査など色々と用意することがあるし、飛行中も色々と気にかければいけません。
とはいえ、長時間貨物室に入れておくことに不安がある場合は、ぜひ頑張ってあげてください。
そして猫は今・・・。
ストレスと、先住猫からノミをもらったことによるアレルギー反応で耳の後ろと首回りがごっそり禿げてしまい、ニース到着後3日目にして獣医にかかりました。ノミ退治用の錠剤を飲ませ、アレルギーを抑える注射をしてもらう。
が、今では毛も生え揃い、ちょっと早めに換毛終えました感ある、すっきりとした首回りになりました。
そして、猫のお作法をどこかに置いてきてしまったようで、先住猫たち(と言っても、生後8か月くらいの子猫)を追いかけ回すという大人げないキャラがすっかり定着しています。夜も追いかけ回すので、人間の睡眠中は客間にトイレと一緒に隔離。
初対面の人にもフレンドリーな性格なので、まさか同じ猫に対してここまで攻撃的とは知らなかった。そのうち、他の猫たちとは隔離して生活させる予定。
というわけで、すっかりニースの暮らしに馴染んでおります。
猫と国際線に乗るための準備(検疫関係)についてはこちら。
猫の海外引越しのための事前準備・検疫手続きについてまとめています。
猫(ペット)の海外引っ越しは、「輸出」です。
日本から海外へ引っ越す場合、人間の移住準備も色々ありますが、猫にだってやることは結構たくさんあります(そしてお金もまあまあかかる)。
他国へ動物を持ち込む場合、まず確認するのは移住先の大使館のHP(私の場合はフランス大使館)や、動物検疫所(厚生労働省)のサイトになります。そこに記載されていることが、もちろん基本ルールなのです。
ただ「そんなことどこに書いてあるの?」と思うこともあり、よくわからなくて経験者の方(主に犬でしたが)のブログなどを参考にさせていただき、とても助かりました。
そこで、私の経験もどこかの誰かのお役に多少でもなればと思い、忘れないうちにまとめました。(※これは2016年1月時点。今後のルール改定はご自身でご確認ください)
- 1.出国予定日から1ヶ月半以上前には準備開始。
- 2.狂犬病予防接種とマイクロチップ装着
- 3.出国予定日とフライトを確定しよう。
- 4.「NACCSセンター」に登録・輸出申請しよう
- 5.いざ、検疫検査へ。
- 6.検疫は無事パスした・・・が油断してはならない。
- 7.無事にフランスへ入国!・・・っていうか。
- こんな記事も書いています。
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1.出国予定日から1ヶ月半以上前には準備開始。
人間側には、出国当日までやらなくてはいけないことが大小山ほどあります。忙しいです。仕事を続けながら準備してる方だったら、本当に大変です。
でも人間の支度は完璧だったのに、ペットの手続きが間に合わないとか、最悪の場合、一緒に出国できなかったなどという悲劇が起こらないよう、時間的に余裕を持っておくことをお勧めします。もし不測の事態があっても対応できますから。
2.狂犬病予防接種とマイクロチップ装着
フランスの場合、猫(犬)を持ち込むために、次のことが必要になります。
- フランス規格に従ったマイクロチップ(ISO11784)を装着していること。
- 出国時点で、狂犬病予防接種後1ヶ月以上経過していること。(ワクチンの有効期限はたいてい1年です。出国時点で期限切れになっていないかご注意ください。)
- 持ち込み可能頭数や年齢にも条件がありますがこれは割愛。
マイクロチップ
マイクロチップは、かかりつけの獣医さんで装着してもらいました。事前に病院にチップ装着ができるかどうか、問い合わせてから行くとスムーズです。
チップ装着(費用うろ覚え。数千円)と個体識別記号(マイクロチップ・動物ID)登録申込1,000円。
ISO11784規格の「DATAMARS」のチップを装着してもらいました。フランスの指定規格に準じているのでOKです。心配なら事前に獣医さんに聞いておくと良いでしょう。
装着後、獣医さんにマイクロチップリーダーで読み込むか確認してもらい、正常に機能していることを確認。(念のため、装着一週間後に再度チェックしてもらいました。ちゃんと動いてました。)
マイクロチップを装着したら、その識別番号を管理機関に登録してもらいます。これは獣医さんが手続きしてくれます。私の猫の場合は「公益社団法人 日本獣医師会」へ登録されました。
獣医さんから登録申込書の飼育者控用の紙をもらいますので、これは無くさないようにとっておきましょう。検疫所の手続きの際に、証明書として原本確認が必要になるからです。
てっきり、登録団体から発行されるデータ登録完了通知書(手続き後1ヶ月くらいかかる)が必要なのかと思っていたら、検疫で必要なのは「申込書控え」の方でした。
狂犬病予防接種
猫も狂犬病になるんですね。日本では猫に予防接種受けさせている人は少ないのではないかしら。私は全然知りませんでした。
フランスの場合は、接種後1ヶ月以上経過後(かつ接種から1年未満)でないと入国できないので、余裕を持って接種に連れていきましょう。
ちなみに厚生労働省のサイトを見ると、2回接種させる(1回目から1ヶ月後に2回目を打つ)記載があったのですが、これは犬の場合の話かもしれません。
フランスの規定にも、2回接種させるとは書いていなかったし、検疫所からもその点は特に指摘を受けなかったので、うちの猫は結局1回しかしていません(そして無事にフランスに入国しています)。2回接種してないとダメだったら、引っ越しが1ヶ月延びるところでした。
獣医さんに注射をしてもらったら、次のことを確認しましょう。
- 狂犬病予防注射済証の受領(これは普通言わなくてももらえる)
- 接種したワクチンの製品名及び製造会社、ロット番号、使用期限
いずれも検疫手続きで必要になります。獣医さんってだいたい忙しくされているので、お手数をかけないためにもできるだけ用事は一度に済ませましょう(私は3回くらい電話してしまった、ご迷惑だったと思う・・・)。
ちなみに検疫所からもらう「処置内容証明書」にも獣医師の署名押印をもらわなくてはなりません。何度も獣医へ行く二度手間を避けたいなら、先に検疫所に書式を送ってもらえないか問い合わせておくと良いでしょう。
以上で猫の体に施さなくてはいけないことは完了です。
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3.出国予定日とフライトを確定しよう。
次に準備することは、検疫手続きのための書類を作ることです。
が、この書類に、出国日とフライトも記載します。これが決まらなくても下書きはできるのですが、ともかく管轄の検疫所(成田空港の場合、ターミナルにより管轄が変わる)と審査日が決まりません。
検疫書類の作成では、幾度か職員の方とメールや電話でやりとりをすることが出てきます。管轄でない検疫所の職員も質問には丁寧に答えてくれますが、早くフライトを決めて出国当日審査を受ける検疫所と準備をしたほうが良いでしょう。
というわけで、フライトをまず押さえましょう。
ペットを機内に持ち込みたい場合は、航空会社によってルールが異なります(アラブ系航空会社は犬猫持ち込み不可だけど鷹(!)はOKとか。鷹持ち込みのニーズってあるのだろうか・・・)。猫が乗せられる航空会社を調べましょう。ちなみに私たちは「トルコ航空(ターキッシュエアライン)」でした。
人間のチケットだけ予め押さえ、当日いきなりカウンターにペットを持って行っても乗せてくれない場合もありますので、事前にきちんとペット連れの旨を伝えて予約しましょう(機内に乗せるまでには、肝を冷やす場面もあったので下記にまとめています。)
4.「NACCSセンター」に登録・輸出申請しよう
動物検疫で必要になる申請手続きは電子申請をすることができます。
ざっくり言うと、このNACCSのサイトで、フォームに必要事項を記入して最後にポチッとボタンを押すと、管轄検疫所へ申請ができ、その後に検疫所職員の方と事前の書類確認などが始まります。
(1)まずはNACCSの利用申込み
NACCSサイトから、申請システムの利用申込をしてIDを取得しましょう。メールアドレスがあれば取得できます。
(2)「輸出」申請書を作成しよう
IDが取得できたら、ログインして「犬・猫の輸出」を選択し、フォームに必要事項を記入していきましょう。
この時、少なくとも「どの空港」の「どのターミナル」から出発するかが決まっていないと、管轄の検疫所が決まりません(まあ、変わったところで対応はしてくれるのでしょうが、作業が二度手間になる可能性あり)。
なお、フライトナンバーや出国日に変更が出ても、大丈夫です。私の場合は、搭乗2週間前に欠航になり翌々日のフライトに変更されました。これは、後で「変更になったため」とNACCSシステム上で申請内容の訂正をすればOKです。
全部書けたら「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検査申請」フォームが完成。送信ボタンを押すと、「猫を連れて外国に行きたいので問題ないことを検査してください」という申請が検疫所へ送られます。
マニュアルは、基本的にはNACCSのサイトにある通りなのですが、結構読むのめんどくさい・・・。
申請はすべて英数字で記入します。ワクチンの製造会社なども、英名表記をサイトで確認して記載しましょう(間違っていたら後で検疫所の人が訂正してくれます)
(3)電子申請したら管轄検疫所とのやりとりがスタート
検疫所の細やかなフォローはもはや感激の域。輸出検査に必要となるすべての書類は、事前にかなり細かくチェックしてくれますので、安心してください。小さな疑問でもメールで質問したら「えっ、こんな時間に返信きた!」というくらい、遅い時間、週末問わず回答をくれます。
まあ、確かに聞かれたことだけ答えるやり方をして、出国当日に何らか不備が見つかって「ペットだけ出国できない!」なんてことになったりしたら、それこそ(飼い主が半狂乱になって)大騒ぎになるだろうから、事前に火種は消しておく為の対応なのでしょうけどね。
無事に申請データが送られると、検疫所から登録したメールアドレスに「申請を受け付けた」旨の連絡がきます。
- 相手国の受入条件(動物の入国条件)
について、大使館などを通じて確認すること。 - 検査のための来所日時について事前に検疫所に連絡の上、打合せを行うこと。
フランス大使館に電話しても、きっとサイトに書いて有る以上のことは教えてくれないだろうというわけで、検疫所に電話しました。
- フランスに動物を連れて行く場合、「健康証明書(EU指定用紙)」が必要
- 渡航先とは別の国で飛行機の乗継ぎがある場合、日本以外にどこにも立ち寄っていない旨の「誓約書」が必要になるかもしれない
- 猫に狂犬病予防接種とマイクロチップを装着した旨の「処置内容証明書」(かかりつけの獣医師に署名捺印してもらう)
ということで、すべての書式をメールで送ってくれました。親切!
健康証明書のEU指定用紙は、大使館のサイトからフランス語版がダウンロードできますが、このEU指定用紙の記載内容も、検疫所が事前チェックしてくれるので、素直に検疫所がくれる英語版を使用するのが望ましいと思われます。書き方マニュアルも添付して送ってくれるので、一つずつチェックして記入していきましょう。
(ちなみに、私たちが乗り継ぎしたイスタンブルでは誓約書は不要でした。でも備えあれば憂いなしです。)
記入内容は「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検査申請」とほぼ同内容です。書けたら、都度、検疫所にメールで送って確認してもらいます。
その際、検査時に原本確認が必要になる下記の書類も、先にメールで送っておきましょう。
結局、書類関係すべてOKです、という回答をもらえるまでに、検疫所とは4〜5回メールをやり取りしました。ちなみに検疫所はシフト勤務のため、対応はすべて異なる職員がしてくれますが、きちんと申し送りされているので全く問題ありませんでした。
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5.いざ、検疫検査へ。
出国当日、検疫所へは早めにいきましょう。17時で閉まってしまいますからね。
検疫所から事前に送ってもらった地図を頼りに、成田空港の指定の場所へ行き、検疫所に電話します。すると職員の方が迎えに来てくれました。
猫と共に後についていき、まず最初は書類の確認です。EU指定用紙には飼育者の署名が必要なので、プリントして持って行きました。(申請書は持って行きませんでしたが、大丈夫でした。)
その他事前にメールで写しを送っていた証明書など一式を職員の方に預けます。これを職員の方が一つずつ相違ないか確認し、コピーを取ります。
書類に問題がないことを確認したら、必要部数を用意する間に、検疫所の獣医さんが出てきて、検査室に移動し、猫の健康診断を行います。と言っても、聴診器で心音を聞きお腹のあたりを触診して「うん、健康!」と言われて終了でした。
検査室を出ると先ほどの職員の方が書類(全部で5部ほどある)の用意を終えていたので、そこに獣医さんが必要箇所にサインをしていきます。
これで表紙に「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」、次ページにEU指定用紙の「健康証明書」をくっつけて割印した書類が完成。
これを、原本(ORIGINAL)とコピー(COPY)各1部を受け取り、猫のキャリーバッグに「検査済」のタグをつけてもらいました。原本は、フランスに到着したら向こうのスタッフに渡すように、コピーは帰国の場合に必要になるので大切に保管するようにと説明を受ける。
これで検疫検査終了!とってもつつがなく「え、終わり?」って感じでした。
6.検疫は無事パスした・・・が油断してはならない。
ここまで超順調に終わったので、あとは飛行機に乗るだけと安心していた私と夫。いざチェックイン!と思って颯爽とトルコ航空のカウンターへ行き、スタッフに検疫証明書を差し出しました。するとスタッフの女性が
「健康診断証明書はないんですか?」
「は?」
確かにこちらが出した書類の表紙は「検疫証明書」というタイトルになっているけれども、二枚目以降についているのがEU指定の「健康証明書」で、獣医師のサインも入っている、だからこれが健康診断証明書だと説明。
でもスタッフの女性は自分の上司へ電話をかけ「健康診断証明書という名前の書類がないがどうしたらいいか」を問い合わせ、私たちには「確認していますのでお待ち下さい」と言いながら、搭乗手続きを進めていく。
この間、私の頭の中ではインターネットで見かけた、「2年前にトルコ航空が規定する書類がないという理由で猫を乗せてもらえなかった」という話が頭をよぎる。
だからトルコ航空にも事前に必要書類を電話で確認して、検疫所からもらう書類でOKって言われたのに、書類に不備があっても検疫所はもう閉まってるし、乗せられなかったらどうしよう、もう家も引き払って帰るとこもないのに・・・!と半泣き状態。
待つこと10分、上司っぽい女性スタッフが超笑顔で近づいてきて、「トルコ航空が認識している健康診断証明書とは違うので、万が一、渡航先で書類の不備により猫が持ち込めない事態が発生しても、当該猫を搭乗させたトルコ航空側に落ち度はない、全てお客様責任である旨の誓約書にサインしろ」という。
書類に誤りはないという自信はあったので、素直にサインして渡す。(コピーももらえなかったし、写メとっとけばよかったなと後でちょっと後悔)
結局、カウンターに行ってから40分くらい経って、チェックイン終了。乗る前にどっと疲れる。ちょっと倒れそうでした。
7.無事にフランスへ入国!・・・っていうか。
ともあれ、無事に猫と共に機内に乗り込み、イスタンブルでの7時間の乗り継ぎ待ちを耐え(結局、検疫所が配慮してくれた誓約書は見せることなく)、ようやくニース国際空港へ到着。
手荷物を受け取り、無事に猫と一緒に空港の外へ出られるのか、ドキドキしながら出口へ。ここからはフランス人だからフランス語が話せる夫に手続きを託す。
荷物とタグの番号をチェックするスタッフに、夫が「猫が連れてるんだけど」と話しかける。
「どこから来たの?」
「東京から。書類もあるんだけど」
「じゃ、大丈夫。行っていいよ」
えっ!
結局、成田ではあわや猫だけ飛行機乗れないかもという恐怖を味わったにもかかわらず、フランスでは猫の有無も、そもそも本当に東京から来たのかどうかの確認もされず(イスタンブルから来た飛行機に乗ってたんですよ)、検疫証明書の存在すら調べられることなく、というかその書類自体を提出することもなく、私たちは空港の外に出て、猫はフランス入国を果たしたのでした。
というわけで、成田でもらった輸出検疫証明書の原本は、今も私の手元にあります。
これでいいのかなぁ・・・。
<推測と反省>
今回のトルコ航空の対応は、おそらく以前“トルコ航空規定に添わない”という理由でペットを搭乗させなかったことが色々波紋を呼んだので、「一応乗せるのは乗せるけど、何かあっても責任は負わない」ことにマニュアルを変更したのだろうなぁと推測。とにかく予定通り乗せてもらえたし、搭乗中ちょっとくらい猫が鳴いても寛容な対応をしてくれて感謝しています。
何れにしても心臓に悪い出来事だったので、かかりつけ獣医師の「健康診断証明書」(できれば日本語と英語)をもらっておくのに越したことはないと思われます。
こちらのサイトでサンプルも提示してくれています。